台湾産コーヒー(台湾珈琲)の特徴・歴史・展望と、MEILI COFFEEの活動を詳しく紹介!

2018-05-22公開  
本記事の情報は投稿時点で正確であるように最善を尽くしましたが、その後情報が変更される場合があります。最新の情報を確認することをお勧めします。

はじめまして、MEILI COFFEE の代表 小山立(こやま りゅう)と申します。あまり重要な情報ではないと思いますが 27 歳です。

東京・調布市にある仙川という小さな街を拠点にして、台湾の高地にある有機栽培珈琲農園から直接珈琲豆を買付け、空輸で日本へ輸入をし、受注を受けてから手網焙煎をしてお客様の元へお届けしています。

畑から皆様のカップに届くまでの時間が短い事、これが MEILI COFFEE が心掛けている事です。

サラリーマンをしていた昨年、台湾で運命の出逢いをしてしまいました。「これぞ、THE 台湾珈琲!」と言うべきシングルオリジンの台湾珈琲豆に恋をしてしまったのです。

あろう事か同時に複数の農園のそれぞれ素晴らしく個性的な台湾珈琲豆に。しかもどちらも台湾珈琲豆品評会で、毎年最優秀賞、優秀賞を総ナメにする上位入賞の素晴らしいアラビカ種豆で…。

こんなに美味しい珈琲豆達を埋れさせてしまっていいの?こりゃ僕はサラリーマンやっている場合じゃないぞと商社勤務を辞めて、食品開発の研究をしてきた彼女と二人で 2018 年1月より MEILECOFFEE として活動を始めました。

・台湾珈琲の個性でもある台湾茶のようなまろやかな味わい、美味しさを日本の皆様にお伝えしたい!
・できれば台湾本国の皆様にも台湾産珈琲豆が台湾の高品質な特産品である事を誇りに思って欲しい!
・そしてもっとできるなら世の中に台湾珈琲農園の豆自体は勿論の事、彼らの真摯で丁寧な仕事振りも含め認めて貰いたい!

その為に MEILI COFFEE ではフェアトレードで買付けをして、別産地の豆をブレンドしないシングルオリジンで提供しています。台湾の地の恵みである珈琲を飲む事が、国を越えて生産者・輸入販売者・消費者それぞれのハッピーに繋がっていけたらいいなぁと思っています。

屋号の MEILI は彼女と私の名前を一文字ずつ取り華語で繋げました。美立(MEI LI)= Merry =快楽 。まさに楽しく嬉しくおめでたい、ハッピーな気持ちを皆様へお届けしたい気持ちで名付けました。

このコラムを読んで下さる台湾 Lover のあなたが、台湾産珈琲や私達 MEILI COFFEE の活動に興味を持って頂けたとしたら幸いです。

台湾コーヒーの特徴

台湾コーヒーには大きく分けて、山地型、高原型、海岸型の三種類があります。

● 山地型 …南投、雲林、嘉義、台南地区
味の特徴…香りや味の特徴として、フローラルでお茶のような味わい。酸味は強すぎない中程度。

● 高原型 …屏東地区
味の特徴…フローラルでチョコレートのような味わい。

● 海岸型 …台東、花蓮地区
味の特徴…フローラルかつスパイシーな味わい。酸味は比較的強い。

台湾コーヒーの歴史

台湾のグルメを連想する時、多くの人はまず台湾茶や台湾マンゴー、豆花(ドウファ)などを思い浮かべると思うのですが、近頃密かに台湾のコーヒーが注目され始めています。

日本と台湾産コーヒーの関わりは古く、日本が台湾統治を始めた大正時代、なんと天皇への献上品として栽培されたことに始まります。日本が台湾を統治していた歴史を知らない若者が多くなった今、その歴史と共に結構驚いてしまいますよね。

その当時、台湾はアジアで最大のコーヒーの産地だったそうです。気候や土壌に恵まれており品質の良いアラビカ種のコーヒーを生産できたのが理由です。

明治維新以降、コーヒーを、文化開花を匂わせてくれる飲み物として受け入れ始めていた日本は、台湾を統治しコーヒーの生産基地を得ました。日本軍は台湾各地でコーヒーに適した気候や土壌を探し、台湾各地で生産を始めました。

台湾で生産されたコーヒー豆は 1907 年に東京で開かれた勧業博覧会や、1915 年の大正天皇の即位式で献上され、高評価を受けました。また 1935 年にイギリスへ輸出され、その品質の高さと香り高いまろやかな味わいはイギリスの政府関係者の間でも絶賛され評判となりました。

しかし太平洋戦争が勃発すると食糧の需要が増え、コーヒー農園の多くは作物栽培へと移り変わり台湾コーヒー産業の勢いは下火となりました。

そして戦後、ブラジルやコロンビア等の中南米の国家による大規模生産かつ機械化により、安価なコーヒーが世界に出回ることになりました。生産量が少ないため価格の競争力がない台湾コーヒーは没落の一途をたどり、代わってビンランの栽培が盛んになりました。

ところが 1999 年 9 月 21 日、台湾で大地震が発生し、台湾の特産物であったビンランは土石流により流されてしましました。その後の研究により、土石流を引き起こした原因となったのもそのビンランであることが分かりました。

そうした訳で台湾政府は、土石流の発生を防ぎ、更に経済価値が期待できるコーヒーの栽培を推奨し始めたそうです。その為、台湾のコーヒー農園に訪問すると、今でもコーヒーの木とビンランの木が同じ土地の中に生えているのが確認できます。

最近では台湾政府が益々コーヒーの栽培を推奨していて段々と生産量が増えてきています。

台湾コーヒーの展望

台湾産のコーヒーは作地が少ない関係上、大量生産はできません。従って価格は他国のものと比べると高くついてしまいます。ただし、他国と比べて優れているのは正に品質と鮮度です。

現在日本に輸入されているコーヒー豆の大部分は船で運ばれてきています。大量仕入れは船による輸送が一番コストが掛かりません。しかし船での輸送は高温多湿になりやすい為、菌が発生しやすくなり、ゲルマニウムアフラトキシンといった毒素が豆に発生しうるそうです。

台湾産の豆は生産量が少ないため大量仕入れは物理的に無理で、空輸で輸入する事ができるのです。新鮮な状態を保ち、品質が良いまま日本に届きます。(※輸入している方に空輸であるかどうか確かめるのが大切です。海運である場合、温度管理できるコンテナで輸入しているかどうか確かめるのも良いかもしれません。)

また台湾のコーヒー農園のコーヒーの果実を管理する技術は、これまで培ってきたフルーツの管理技術と同様に高く、また果実を収穫してから生豆にするまでの工程も台湾茶葉を生産する過程に似ており、確かな経験や技術を取り入れています。

台湾の果物や茶葉のクオリティが高いことは世界的に有名ですが、世界レベルまでクオリティを引き上げたのは農園の方々が培ってきた技術があるからです。その技術が生み出したコーヒーには雑味がなく、ミルクや砂糖を入れずに美味しく飲むことができます。その美味しさはハワイのコナコーヒーに勝るとも劣りません。

近い将来日本の珈琲市場に於いても、台湾産コーヒーが珍しい物ではなく、消費者が焙煎所やカフェなどで普通に選べる事ができるコーヒーになると信じています。

MEILI COFFEE の活動について

台湾珈琲販売を始めたきっかけ

私が初めて台湾を訪れたのは 2014 年夏の事です。あれからもう直ぐ 4 年が経とうとしています。訪台と言えば皆様は通常観光をイメージされると思われますが、私の場合は旅行ではなく、農業体験ボランティアをするためでした。

このボランティアに至るまでの経緯は後述させていただきますが、実はその時私は他国から冷凍野菜を輸入する商社に勤務していました。東日本大震災から年が経っていましたが、放射能による実被害や風評被害により、社会全体がまだまだ農作物の安全性に敏感でした。そんな状況下での冷凍野菜は非常に利便性が高く必需品であると感じました。

しかしその一方で、私が皆様の食卓へ届けたい物は、もっと血の通った物ではないかと思うようになっていたのです。生きとし生けるものにとって“食べることは生きること”。生産者と消費者の間に沢山の高い塀がある物より、生産者の顔が分かる物を提供したいのだと心から思うようになっていたのです。

私には台湾人の友人が沢山いましたが、みんな口を揃えて「台湾はオーガニック野菜が特別な物ではなく普通に売られているんだよ」と言うので調べてみると、台湾の第一産業は非常に発達しているという事が分かりました。大学時代、下高井戸の八百屋でアルバイトをして、消費者の皆様に直接安全安心な新鮮野菜を届けていた私は、「これは実際にこの目で見て体験しなければ!」と思い、一ヶ月後には会社を辞めて台湾へ飛んでいました。

農家生活は初めての体験でした。早朝 5 時に起床、昼の最も暑くなる時間まで外で農作業をし、一時間の休憩後に再び畑へ出て 4 時頃に仕事を終えるような生活でした。三ヶ月間、うだるような湿気のある真夏の暑さの中、毎日汗と泥にまみれて農業をするのは、非常に大変でしたが、信州の山育ちの私には性に合っていました。農作業後に夕焼けを見ながらのビールは最高でした。

そこでは自然農法や有機農法で野菜や果物を育て、それを販売するシステムを学べました。オーガニックの徹底ぶりは感心するほどでした。また台湾人の仕事も非常に真面目で素晴らしく、勤勉な国民性を感じました。育てたオーガニック野菜と家畜を自分達で調理し、みんなでテーブルを囲む生活が出来たことは、“食べることは生きること”をまさに実体験した感がありました。

三ヶ月間の農業体験後、輸出入の方法が分からなかったり、資金がなかったため、もう一度商社で働きノウハウを身につけようと決め帰国しました。

新たに商社勤務をしながら、連休になれば台湾に行きました。そんな生活を繰り返しながら気づいたのは農家で出されたコーヒーの美味さでした。台湾の珈琲豆の品質の高さには驚きでした。また、台湾珈琲豆の輸出量を貿易統計で調べると非常に少ないということも知りました。

台湾で何件もカフェを巡りましたが、生豆が希少ゆえに高価格の為、地元の珈琲業者からも敬遠されている状況でした。当然市場にもあまり出ていないので、台湾で珈琲豆栽培をしている事を知らない台湾人も沢山います。とても残念な事です。

台湾珈琲は本当に美味しい。今まで飲んできた珈琲はなんだったのだろうと思うほど美味しいのです。本当に美味しい珈琲は砂糖もミルクも必要としない、それ自体の味を楽しむことが出来るものなのです。

私はこのまま台湾の豆が日本市場に出回ることなく衰退してしまうのは勿体ないと思い、日本と台湾に台湾珈琲豆を広めようと決めました。まずは私達 MEILICOFFEE の拠点が東京であるため、日本での活動を先行して行きたいと思いました。

台湾の豆はやはり生産量が少なく、価格が高い為、東京の多くの焙煎所やカフェからは豆の値段で購入を避けられてしまう状況です。 現段階では個人のお客様が多いです。

珈琲豆は地域により味わいが異なるほどそれぞれに個性があります。台湾珈琲にもその地域、農園独自の素晴らしい個性があります。それを知っていただきたく、他地域の豆を混ぜる事を一切致しません。シングルオリジンで提供させていただきます。

今後更に多くの皆様に台湾珈琲の美味しさを知っていただくため、台湾珈琲の知名度を高め、生産〜販売〜購入のサイクルを回し、何とか価格を抑えて販売できる様に努力をしていきたいと思います。

これまでの活動

台湾の嘉義にある梅山と、台南の東山にある農園で日台交流を目的に台湾コーヒーを紹介したいという旨を農園に伝えたところ快諾頂き協力関係にあります。

但し日本にコーヒー豆を輸入すると非常に高価になってしまいます。元々は珈琲豆を焙煎屋に卸し、多くの日本人に台湾産珈琲を飲んで頂きたいと考えていました。台湾珈琲を輸入後、何軒も焙煎屋を訪問しましたが、仕入れ価格が高価で、ビジネスとして成り立たないだろうという返答が来ました。

焙煎所にも断られ、販売ができない状況が続きましたが諦め切れず、独学で焙煎を覚え、現在焙煎豆とレギュラーコーヒーとして販売しています。少しでも安くお手元に届けられればとの思いで、焙煎料金につきましては無料サービスで行なっています。

また、台湾・台北のカフェにて、期間限定でシングルオリジン台湾珈琲を提供しております。焙煎からコーヒーの抽出、販売まで運営します。 手網焙煎器を用いて、小さなカフェや家庭でも手軽に美味しいコーヒーが飲めるように焙煎法をレクチャーして参りました。

6月21日から24日に上野公園で開催される台湾フェスティバル2018に参加いたします。その際に台湾産コーヒーの無料試飲をしていただく予定です。現在、無料試飲を提供するためにクラウドファンディング(CAMP FIRE)で資金を集めています。もし賛同していただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご賛同のほどよろしくお願いいたします。URL は最後に記載いたします。

最後に

前述にもありますように、最初の訪台で多くの有機農家を訪ねてボランティアを通して台湾の方の勤勉さ、仕事に対するこだわりや真剣さを目の当たりにしました。またその農家や出会った人々との親交を大切にして参りました。その時の縁がオーガニック珈琲農園に繋がりました。

実は、私が台湾にボランティアに向かったのは東日本大震災の際、台湾の方々から多大な支援を頂いた事に起因しています。

7 年前の東日本大震災のあの日、私は日本にいませんでした。交換留学で中国に居たからです。“あの日”の話が仲間内や家族で出ても、大災害に遭った国の人間でありながら、“あの日”に対する感情の共有は出来ても、あの日あの時あの場に居なかったという意味で日本にいた人々との経験的共有は無理なのだと毎年思い知らされできました。“あの日”留学生寮で遅れて入ってくる情報の中、おたおたとしながら祈る事しか出来ないもどかしさと、自国の有事に何も出来ずに外から見ている罪悪感に苛まれていました。

そんな中で日本にいる私の台湾人の友人達や台湾の方々がとった行動や、莫大な人力と募金の支援を知り、心から感謝をしました。本当に情の深い国民性に感動しました。将来台湾に恩返しをしたいとの思いが農業ボランティアへ向かった理由の一つでもあり、今回の台湾珈琲の紹介に繋がっています。

大震災から 7 年間。一言で 7 年といえ、皆様もそうであるように私にも紆余曲折色々な事がありました。良い時もそうでない時も私は台湾の地と人々に癒され励まされて今日があります。そして台湾珈琲豆に出会い、その豆を日本中の皆様に味わっていただきたく、今日私は珈琲豆を焙煎しています。丁寧に愛情を込めて一生懸命にやっています。

農園の生産者さん達の手による、オーガニック製法で手間がかかった素晴らしく美味しい台湾珈琲豆を通して、日本中の人々の心に何かしら温かい物を手渡していけたらいいなと思いながらやっています。そんな私の活動が勤勉で良心的な台湾珈琲農家を支援し、台湾の一次産業を支え、また珈琲を通して日台の交流を深化させる事ができれば幸いだと思っています。

SNS・ショッピングサイト

もし上記コラムで台湾コーヒーに興味を持っていただけるようでしたら、以下サイトにて購入ができます。Instagram, Facebook からはコメントやメッセージにて注文いただけます。

★ クラウドファンディング(CAMP FIRE)
https://camp-fire.jp/projects/view/79395

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