ROUND TAIWAN

西門町で迷子になって台湾人の親切さとか親日とかについて改めて考え直したという話

去年、台湾一周する前の話です。この時、まだまだ台湾での滞在経験は少なかったので、ちょっとした衝撃を受け、偏った思考が少し修正されるという経験をしました。

台北の西門町という場所で迷子になったことがきっかけでした。ここは、日本で言う渋谷のような、若者の街です。実はこのとき既に5回以上は西門町に来たことがあったのですが、方向音痴な私はまだまだ街の作りを覚えられずにいました。

本格的に道に迷い、「これはもう自力では駅に帰れない。仕方ない、誰かに聞こう」と決意し、このとき中国語をあまり話したことがなかった私ですが勇気を振り絞り、道行く人に駅への行き方をたずねたのでした。

まずはじめに、おば様にたずねてみた結果

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最初に道をたずねたのは、推定年齢50歳前後のおば様です。立ち止まって携帯をいじってたので、暇なのかなと思い、声をかけてみました。

私「ぷ…、ぷーぱおいーす、ちんうぇん、しーめんでぃんふぉつーちゃんざいなぁり?(不好意思,請問西門町火車站在哪裡?=すみません、西門町の駅はどこですか?)」
よく考えたら西門町はMRTの駅なので火車站は間違いですね。このときは火車站と聞いてしまったと思います。

すると、おば様は、あからさまにめんどくさそうな、めちゃくちゃ嫌そうな顔をしてきました…(笑)

おば様「あぁん?駅?あっちの方でしょ」と言いながら、適当にあしらおうとします。

心が折れそうになりながらも私は、さらなる詳細を聞き出そうとします。ここで引いてしまってはお家に帰れない!

私「こっちですね?本当ですね?たどり着けますよね?」こんな感じのニュアンスをなんとか中国語で伝えました。

すると、おばさん、さらにめんどくさそうな顔になって、「おぅおぅ、そっちであってるよ。間違いねぇよ」という感じであしらわれました(笑)

私はさすがにこれ以上は聞けないと思い、軽く礼を言ったあと、おば様が適当に教えてくれた方向に向かって歩き始めたのでした。

その次に、おじ様にたずねてみた結果

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先ほどのおばさまに聞いた方向へ向かって歩き出しましたが、さらに道に迷ってしまいました(笑)もはや全く見たことのない景色。どこへ進めばいいのか全く分かりません!

そのとき、今度はバイクをいじっているおじ様を発見しました。先ほどのおば様よりも明らかに忙しそうです。少し申し訳ないと思いながらも、他の人達はせわしなく歩いている人が多かったので、そのおじ様に声をかけることにしました。

私「不好意思,請問西門町站在哪裡(すいません、西門町の駅はどこですか?)」

おじ様「Where are you from? Japan?(どこの人?日本?)」

英語に切り替えて来た!何とグローバルなおじ様!(後で気づきますが、台湾の人は簡単な英会話ができる人が多いと思います)

この後の会話は全て英語になりました。

私「はい、日本です。」

日本と聞いたおじ様は、2、3秒考えた後、こう言います。

おじ様「Let’s go!」

何?一緒に駅まで歩いてくれる感じ?忙しそうにバイクをいじって作業してたのに、本当にいいの?!

第一印象は少し気難しいオヤジさんのような感じだったので少しびびりながら声をかけたのですが、一緒に歩きながら話しているときは笑顔が絶えず、本当に良い人という感じでした。

おじ様にこんな風に親切にされたのは初めてだったので感激しながら歩きました。色々話しながら歩いていると、あっという間にMRT西門駅に到着。
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私は何度も何度も「謝謝,謝謝(ありがとう)」と言いました。心からの感謝の言葉でした。謝謝(シェシェ)という中国語は短くて言いやすいので、ともすれば何も考えず適当に、義務的に言ってしまいがちなのですが、このときばかりは本当に心から感謝していたので、何度も何度も心からの謝謝を言ってしまったのでした。

私の台湾滞在史上、一番の不親切と一番の親切を同時に体験して考えたこと

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この時、5回目の台湾旅行だったとはいえ、まだまだ台湾滞在日数はほんの少しだった私。だからかもしれませんが、ほんの1時間もしない短時間で、台湾史上最低の不親切と最高の親切を同時に味わうことになったのです。

私は、自分で言うのもなんですが、人から与えられた情報は基本的に信用しません。自分で体験したことしか信用しません。いや、正確に言うと、自分で体験したことも信用しません。例外にあたっている可能性があるので、言い切るためには膨大な体験量が必要だと思っています。

だから、インターネット上でよく、中国や韓国を批判し、台湾を褒めるような人たちを見て、いつも不思議に思っていました。何故この人達はこんなにも自分の意見を言い切ることができるのだろうか(まあ、言い切った方が良いというのも分かります。私も正直、そんなに自信がないことでもブログでは言い切ったりします。間違っていれば後から修正します、スイマセン。この辺を互いに自覚できているなら問題ないと思います)

ずっと、自分のことをネット上のそういった偏見を持つ人とは違うんだって思い自信を持っていました。でも、このとき気づいてしまったのです。自分もそんな偏見をたくさん持っていたと。

おば様にすごく不親切な対応をされたとき、一瞬だけど「この人は本当に台湾人なのか」という気持ちを持ってしまった。

「台湾の人はみんな親切、みんな親日」という気持ちを無意識のうちに持っていました。このときまで台湾人に親切にされたことしかなく、日本人ということで喜んでくれたことしかなかったのです。

すごく不親切なおば様と出会って気づいた。「みんなが親切なわけではない」という当たり前のことを。もしかしたら、このおば様の問題ではないかもしれません。たまたま忙しかったのかもしれない、イライラしてたのかもしれない。自分だって、心に余裕があれば親切にできますが、そうでないときは不親切にもなります。

また、すごく親切なおじ様と出会って考えさせられた。このおじ様は「Where are you from? Japana?」と私に聞いてきたとき、私が日本人じゃないと言ったらどんな対応をしただろうか。例えば、台湾と対立している中国大陸の人だと分かったとしたら?同じように親切にしてくれただろうか(中国語が下手な時点で中国人ではないことはすぐ分かったでしょうけどね。あくまで例えです)

日本人に色々な人がいるのと同じように、台湾人にも色々な人がいるという当たり前のことをより意識できるようになった体験でした。このような気づきはやはり、実際に人と触れ合って体験、経験することでしか得られないと思います。

ただ、同じ国でも色々な人がいるのは当然としても、国によってある程度の傾向はあるのも事実です。台湾人には親切な人が多い、親日の人が多いという傾向があるのは今までの経験からほぼ間違いないと思っています。

ただ、台湾は複雑な国です。反日の台湾人がいることも知っています。この辺の人ともこれから交流して、本当の台湾を知っていく必要があると思っています。今の自分は無意識のうちに、親日(もしくは反日ではない中立の立場)の人を引き寄せている可能性が高いです。

こんなことをふと思い出したので書いてみました。これから色々な人達と交流していって、また色々な経験を蓄積していきたいと思います。

ABOUT THE AUTHOR

管理人環島
2010年、台湾ドラマ・音楽をきっかけに台湾好きになる。2013年に初訪台して以来、隔月で台湾へ通う。2014年は2ヶ月かけて台湾一周し、帰国後に台湾中国語と英語の資格取得。2015年、日本で個人事業開業。2016年はワーホリビザにて台湾南部の高雄に長期滞在。2017年からは台北在住。2018年に台湾女性と国際結婚。現在は日本や台湾、その他国々を行き来しながら暮らしています。
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