
台湾へ旅行に行く際、「九份(きゅうふん・ジョウフェン)は欠かせない!」と言っても過言ではありません。特に初めて台湾を訪れる方には是非行ってほしい。何故ならそこには独特の食文化と景色があるから。
基隆漁港が近い為、新鮮な魚介で作られたつみれ等台北とは一味違う味が沢山。地元の人も多いので一人旅でも全然OK。思う存分孤独のグルメが楽しめます。
しかも台北より値段が安くお財布に優しいといい事ずくめ!街並みに至っても「台湾に来たぞー!」と実感できるフォトジェニックな場所ばかりです。
今回は九份大好きライター、あゆみんがオススメの屋台グルメと写真スポットをご案内!
目次
九份のおすすめグルメと見所を紹介!
厚揚げとつみれのコラボレーション。地元民に愛されるお店
こちらは厚揚げの中に肉みそを詰め、開いた口を魚のすり身で閉じ、スープでゆでたもの。日本には無い食材なので見た目そのまま翻訳させて頂きました。(笑)
意外な組み合わせですが、これがもう美味しいのなんの!一口かじると肉汁が溢れんばかりに飛び出します。肉みそにはタケノコがアクセントに入っており食感が楽しい。この組み合わせが不味い訳がないですよね。これだけでも美味しいのに、更に魚のすり身で蓋をすることによって旨味が更にプラスされています。すり身は新鮮な魚を使用し、その場で作られている為臭みは一切なし。仕上げにかけられた甘辛いタレが食欲を増進するので無限に食べられる錯覚に陥ります。
これで30元(約120円)。狂気の沙汰でしかない…。見た目は地味かもしれませんが、九份に行くなら必ず、絶対に、食べて頂きたい逸品です。九份では定番なので、割とどこの屋台でも販売されています。それにしてもこの値段で利益はあるのだろうか…たまに心配になってしまう。
魚丸(魚のつみれ)

基隆漁港が近い為、こちらも九份では定番のグルメ。主にスープとして提供されます。そのボリュームは「スープ」と呼ぶには少し食べごたえがありすぎると言っていい程。スープ自体は淡泊なお味でとても飲みやすく、飽きがきません。
魚丸と言えば台北の淡水も有名ですが、九份の物はよりもちもち感がある為個人的にはこちらのほうが好きです。このお店では豆干包と合わせて2つ注文している方がほとんどでした。一人で食べるとかなりお腹が満たされます。色々食べたい方はお友達とシェアを!
九份名物!頼阿婆の芋圓
台湾では庶民のデザートとして親しまれている芋圓。夜市の屋台や、かき氷の具としてよく見かけますが、中でも頼阿婆の物は絶品。「九份と言えば芋圓だよね」という台湾人も少なくありません。
一般的には地瓜粉(サツマイモの粉)とほんの少しの芋で作られる物が多い中、こちらはサツマイモやタロイモの実をゴロゴロと入れているのが特徴です。「ちゃんと!新鮮な!芋で!作りました!!」と主張している様な芋圓は手作り感溢れるお味。
ホットとアイスが選択可能。ホットの場合は黒糖を煮たスープで、アイスの場合はそこに粗目のクラッシュアイスが入ります。どちらも美味なので気温に合わせてチョイスしてくださいね。
サツマイモ・タロイモ・緑茶・山芋・ゴマと味の種類が豊富なのも嬉しいポイント。店内で頂く場合は全てミックスされた物が提供されます(お持ち帰りパックですと選べるとのことでした。)かみしめるとほんのり香ってくる程度ですが、人工甘味料を使っていない証拠なのだと思います。タピオカの様なもっちり感がクセになりますよ!
人気店なので店内は常に混んでいますが、回転が滅茶苦茶速い上にお店が広いのでご心配なく。最近はアラブ系のお客さんも多いとのことで、アラビア語の表示がありました。思った以上にグローバルです。
気ままな猫ちゃんも沢山!下町の情緒溢れる景色たち
さて、九份と言えば某ジブリ映画っぽい景色と、そして猫。ジブリ映画に関しては公式に「聖地である」と公言されていませんが、なんとなーく似ているということで噂が独り歩きしてしまった様です。実際町を歩いていると、どこかで聞いたことのあるテーマ曲が流れていたりします。その辺はご愛敬ということで…。
路地裏を覗くとこの様に猫がお昼寝をしていたり
昔懐かしい駄菓子屋さんを発見することも。この様な駄菓子屋さんは、1950年代に沢山あったそうで懐かしげに見ているお客さんが多かったです。
食べたら豚に…なんてことはないですが(笑)屋外に魅力的な食べ物を展示しているお店も。
その他にも質のいい茶葉やゆっくりお茶を楽しめる茶屋等様々な店舗が連なります。基本的に街歩きを楽しむ場所なので、お腹がいっぱいになった後は色々回って見るのがオススメ。階段が沢山あり、いい運動にもなります。斜面がきついので歩きやすい靴で訪れてくださいね!
九份へのアクセス・行き方(タクシー・電車・バス)
九份への交通手段はタクシー、電車、バスと様々です。
1.タクシー
MRT忠孝復興駅の公共バス乗り場付近に行くとタクシーのおっちゃん達が「九份~九份~」と声を出しながらお客さん待ちをしています。お値段は交渉次第とのことですが、基本1200元程。4人で乗ると一人300元~です。人数が少ない場合は相乗りもOK(というか相乗りのほうがお得です。)日本の方も多いので、機会があれば声をかけてみてもいいかもしれません。
バスと違って駅に止まらない為、比較的早く九份に到着します。ただ、地元民としてはあまり使わないかな…という所。300元あればお腹いっぱいグルメが楽しめる上にお土産も買えちゃうんだもの…。とにかく快適に素早く移動したいという方にオススメです。
2.電車→バス
台北駅から「自強號」という列車に揺られ「瑞芳駅」で下車、その後公共バスに乗る方法。
片道の所要時間が1時間30分~と少し遠目ですが、電車の窓からは美しい景色が見られるという得点つき。この機会に台湾の駅弁(美味い)を食べてみるのもいいかもしれません。
100元以内でたどり着ける為お財布にも優しいです。駅には日本語表示もあり、迷子になる心配はありません。お時間に余裕があり、台湾の電車を満喫したい方向け。
3.公共バス
MRT忠孝復興駅から基隆客運というバス一本。片道の所要時間は約1時間、乗り換えの必要なし。これに乗ってしまえばあとは九份まで一直線、そしてなんと料金は100元です。利便性、コストパフォーマンスを考えるとこちらが一番よいのではないかと。
ただし朝からものすごい人数が並んでいるので次のバスを待ってくださいと言われることもしばしば…。山道を走る為、基本的に立ち乗りはお断りしているそうです。九份が近づいてくると坂道をぶんぶん走るので酔いやすい方は酔い止めを持っていると安心。大概の運転手さんは笑えるぐらい運転が荒いです。そこもまあ台湾らしいのですが(笑)
九份は台北から日帰りで行ける観光地【まとめ】
台湾には様々な観光地がありますが、少し足を伸ばすだけで雰囲気ががらりと変わる九份は本当に素敵な町です。往復しても最大3時間なので日帰りもOK。台湾現地の雑誌やTV局もよく取材に訪れているなという印象です。
定番すぎる!と言って行かないのは本当に勿体ない!定番と言えど、訪れる度に新しい発見があるのではないでしょうか。今回ご紹介したお店以外にも美味しくお洒落な洋菓子や、他では買えないオリジナリティ溢れるお土産が沢山ありますよ!旅行ならではの非日常感を味わうにはピッタリなスポットです。
九份観光の注意点【管理人による追記】
以上、九份大好きライターのあゆみんさんによる九份紹介でしたが、ここからはROUND TAIWAN管理人による追記です。実は私も、最近久しぶりに九份へ行ってきました。
今回は直前までツアーで九份に行くつもりだったのですが、九份へ行くことを台湾の友人に伝えたら「行きたい!」と言ってくれたためにツアーではなく自力で行くことにしました。(※この時に調べたおすすめツアーを後で紹介します)
しかし、その友人とは九份現地で待ち合わせ。九份まで一人で自力で向かったところ、様々な失敗をしてしまいました(笑)この失敗による教訓を、注意点として紹介していきます。方向音痴なのがバレそうで恥ずかしいですが、皆さんが同じ失敗をして時間を無駄にしないためにも思い切って公開します(笑)
注意点1:電車には間違えずに乗る!
上記、九份へのアクセス(2)で紹介した「電車→バス」のルートで台北駅から向かいましたが、何と間違った電車に乗って基隆まで行ってしまいました(笑)瑞芳駅へ行く電車と同じホームから発車するので間違ってしまったんですよね。この基隆へ向かう電車に乗った場合は途中のマイナー駅(八堵駅)で乗り換えなければいけません。なので、直接瑞芳駅へ行く特急電車「自強号」に乗った方が簡単です。
以下の時刻表で出発駅を「台北駅」、到着駅を「瑞芳駅」(いずれも「臺北/基隆地區」にあります)にしてあらかじめ時間を調べておけばこんな間違いはせずに済むはずです。
⇒台湾鉄路の時刻表
※もしくは電車に乗る前、駅員さんに瑞芳へ行く電車を聞いておけば確実です(九份に行きたいと言っても分かってくれるはず)。私のように自己判断で電車に飛び乗るのが一番危険です(笑)
※これを書きながらネットを見ていたら、間違った電車に乗って台湾東部の「花蓮駅」まで行ってしまったという方もいました…。花蓮まで行ったら5時間近くタイムロスします…。上には上がいますね(笑)やはりこのような失敗を避けるためにもあらかじめ乗る電車を調べておくか駅員さんにしっかりたずねてください!
注意点2:瑞芳駅から九份へのバスは立ち乗りの可能性有り

瑞芳駅から少し歩けば、九份行きのバス乗り場にたどり着きます。上写真のように、827/856/788/1062番などいくつか九份に向かうバスはありますが、時間帯によってはかなり混んでいます。そして、運が悪ければ立ち乗りになります…。
今回私は立ち乗りになってしまいました…。台湾のバスは運転が激しく、さらに九份への道のりは山道です。座っている人でさえ怖がっていましたが、立っていた私は怖いというより、吹き飛ばされないように必死でした(このバスにはつり革さえ無かったので、座席の背もたれを必死でつかんでいました)。九份に到着したときには体力のほとんどを使い切ってしまった感じになりました(笑)
これを考えると、上述の九份アクセス(3)、MRT忠孝復興駅からバスに乗る方がいいかもしれませんね。こちらは乗車時間が長いので立ち乗りは基本的に断られるそうです。もしくは、この後紹介するツアーがやはり楽ですね。
注意点3:九份から帰るバスは例外無く大混雑!
九份から帰るバスは、大混雑を覚悟しておいた方がいいでしょう。特に、夕方〜日が落ちた後ぐらいは一斉に台北へ帰る観光客で大混雑しています。
私は今回、ちょうどこの大混雑時間に遭遇してしまいました。夜に用事もあって早く帰りたかったので、仕方なくタクシーを使いました。(九份から瑞芳駅へのタクシーは基本的に250元。このときは200元におまけしてくれました)
九份の現地オプショナルツアー一覧
以上のような時間的ロスを避けるためにも、ツアーの利用はおすすめです。特に、混雑する休日や夕方〜夜にかけての時間帯に行く場合は、時間を無駄にしないためにも以下のおすすめ現地ツアーも検討してみてください。
九份では自由行動の時間があるので、九份到着後には上で紹介したグルメなどを楽しんでも良いし、ツアーのスタッフにお願いすれば連れて行ってくれる場合もあるようです。
JTB「ノスタルジック九份」
「ノスタルジック九份」は、大手旅行会社のJTBが販売している台湾・九份の現地ツアーです。
午前発、午後発、夕方発と大きく分けて3種類あります。
午前発は、時間の余裕がなくて厳しいという方もいるかもしれませんが、一番空いていて快適です。
午後発は、昼から夕刻への移り変わりなど綺麗な夕焼けが楽しめます。
夕方発は、綺麗な夜景が見れます。
それぞれに良さがありますので、目的や希望の時間帯に合わせて選べば良いでしょう。
⇒ノスタルジック九份(詳細・予約ページへ)
三普旅行社「夜の九份&台北の夜市観光ツアー」
「夜の九份&台北の夜市(饒河街夜市)観光ツアー」は、三普旅行社が販売している現地ツアーです。他のツアーに比べて比較的安い料金で、日本語ガイドや夕食も付いているのでお得感がある、人気ツアーになっています。
出発は、中山エリアにある民芸品店「金龍藝品」に集合し、混載車に乗車して九份へ向かうという流れになります。
⇒夜の九份&台北の夜市(饒河街夜市)観光ツアー(詳細・予約ページへ)
WILLER×国光客運「夜の九份、昼は十分で天燈上げ&三峡散策」
こちらも上で紹介したツアー並みの九份最安ツアー。支払い額は日本円で表示されているので分かりやすいですね。
九份だけでなく、十分での天燈上げ、三峽での散策まで付いているという丸一日ぎっしり楽しめる行程になっています。この行程を考えれば圧倒的にコスパの良い九份現地ツアーだと言えます。
ただし、開催されるのは土日だけなので注意してください。
⇒台湾オプショナルツアー!3,900円~(詳細・予約ページへ)
九份のホテル・民宿について
基本的に九份にはホテルが無く、民宿のような形態の旅館があります。九份をじっくり楽しみたい方はこのような民宿に泊まるのも良いかもしれません。
ただ、注意点としては、基本的には九份は台北からの日帰りスポットになっているということです。九份は小さいので数時間あれば一通り楽しめますし、上述のように大混雑の山道を移動したりするのでスーツケースを持って移動するのは現実的ではありません。
それを考慮した上でも、やはり特別な九份でゆっくり過ごしてみたいという方は民宿に泊まってみるのも良いでしょう。
⇒九份(瑞芳区)のホテル・民宿一覧
※台北のおすすめホテルは以下を参考に選んでください。
⇒台北のおすすめホテルと観光に便利なエリア
九份まとめ
九份は台北郊外にあり、ややアクセスが難しい面もありますが、その分行く価値もあるおすすめスポットです。定番過ぎて行きたくないという方もいますが、それはもったいない!私も初めて九份に行ったときは、台湾に来てまでわざわざ日本人や外国人観光客ばかりのスポットに行くのは微妙に思っていましたが、最近は考え方が変わりました。
冒頭であゆみんさんが紹介してくれたように、九份には独特の風景や食文化があるのです。私の周りの台湾人には「九份には行きたい!」と言う人が多いし、実際に行く人もよくいます。それだけ普段は味わえない魅力があるスポットなのでしょう。私は今、台湾に住んでいますが、今後も定期的に九份へこの独特な雰囲気を味わいに行くつもりです。