【台湾一周45日目】花蓮での不思議な出逢い

2015-01-17公開  
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台湾一周、45日目。

花蓮を離れ、宜蘭へ向かう日です。

花蓮駅近くのコンビニで出会った女性

さて、宜蘭に向かう前、先にコインランドリーで溜まっていた洗濯物を洗うことにしました。

そして洗濯物を洗っている間に、近くのセブンイレブンでお昼ご飯に弁当を買いに行きました。

ちょうど会計をしているとき、ふとイートインコーナーを見ると、既にお客さんで埋まっていることに気づきます。

ここで座って食べるつもりでしたが、ちゃんと席を確認していませんでした。今弁当を買っても食べられません。

そこで、「やっぱり座る場所がないので、弁当を買うのをやめたい」と店員さんに伝えようとしました。

でも、店員さんは私の中国語を理解してくれず、何回言い直しても伝わりません。

非常に困っていた時、ちょうど私の後ろに並んでいた女性がペラペラの日本語で助けてくれました。

私が言いたいことを日本語で彼女に伝えると、それを即座に翻訳して店員さんに伝えてくれて、あっさり問題は解決したのです。

この後、彼女の会計が終わるのを待って、「さきほどは本当にありがとうございました。助かりました。」と伝えます。

それから一緒に店を出て、色々話をしました。

どうやら彼女は大阪に留学したことがあるようです。

留学経験があるとは言ってもペラペラすぎです。素晴らしい!

彼女はどうやら近くのカフェで店員をやっているようでした。

「宜蘭に出発するまでの時間、よかったら来て。コーヒーをあげるよ」と言ってくれました。

私は洗っていた洗濯物を回収した後、お言葉に甘えて彼女のカフェに行くことにしたのです。

コンビニで助けてくれた女性が働くカフェ

カフェに到着し、中に入ると席に案内してくれました。

早速コーヒーを出してくれました。

コンビニで助けてもらった上、本当にコーヒーも無料でくれました。

ちょっと優しくしてもらい過ぎて申し訳なく思えてくる程です。

さらに、この後お菓子も持ってきてくれました。

花蓮で、昔からよく食べられている伝統的なお菓子のようです。

コーヒーと良く合いました。

このお菓子も無料でくれました。本当に優しすぎる!

次の目的地「宜蘭」の電車が発車するまでの1時間弱という時間をこのカフェでコーヒーとお菓子を食べながら過ごしたのです。

フランス人のお客さん

ここで過ごしているとき、フランス人のお客さんもやってきました。

彼はカウンター席に座り、何やらチェックインの手続きをしているようです。

ここはカフェだけでなく、バックパッカー向けの宿泊施設としての営業もしているのです。

フランス人のお客さんは、チェックイン手続きを終えた後、先ほどコンビニで助けてくれた女性と何やら談笑しています。

ここで、その女性が私に声をかけてくれました。

「ねえ、このフランス人のお客さん宜蘭から来たらしいよ。あなたは今から宜蘭に行くんでしょ?一緒に話そう!」

そう声をかけてくれたので、私もカウンター席に移動。

この後、フランス人のお客さんが、何故宜蘭からここにやってきたのか語り始めます。

宜蘭には4年前から付き合っている台湾人の彼女がいるらしいのです。

その彼女は4年前、フランスに留学に来ていました。

その時に知り合い、付き合い始めたようです。

それから4年間、現在に至るまで、一途にその彼女のことを愛し続けているのだと語っていました。

しかし、結局は別れてしまったようです。

今回、彼女が住んでいる宜蘭を訪れたが結局元に戻ることはできなかった。

それで彼は、彼女の住んでいる宜蘭を離れ、東回りでの台湾一周を始め、花蓮にやってきたのでした。

「4年前から現在まで愛は全く変わっていない」

そう語る彼の悲しげな表情が印象的でした。

私は彼の話を、食い入るように聞いていました。

それは確かに英語で話していたのですが、不思議とどの言語で話していたのか覚えていないような感覚があります。

私は彼の心を聞いていたからです。

彼の伝えたいことに集中して、それを読み取ろうと必死だったのだと思います。

だから、彼が語った心を、今でも本当に良く覚えています。

何故こんなに必死に彼の心を聞いていたかと言うと、彼に出会えたことが運命のような気がしていたからです。

私が台湾一周を始めた理由が、彼と全く同じだったのです。

私も台湾人の彼女ともう一度やり直すために、台湾にやってきました。

だから最初は、2ヶ月間ずっと彼女が住んでいる台北にいるつもりだったのです。

実際、そばにいられないから別れてしまったという理由も大きかったと思うので、彼女のそばに行けばもう一度やり直せるんじゃないか。

そう期待して台北にやってきたのでした。

でも、一緒にいるだけで上手くいく時期はもう終わっていたのです。

このことを悟ったとき、私は彼女のいる台北を離れ、西回りで桃園からの台湾一周を始めたのでした。

花蓮から宜蘭へ

宜蘭行きの電車が発車する時間が近付いてきました。

コンビニで助けてくれた女性、フランス人のお客さんと別れの挨拶を交わし、花蓮駅へ向かいます。

宜蘭行きの電車に乗った後、私はこのカフェでの出来事を Facebook にアップロードするため、必死で文章を考え、それを中国語に訳しました。

一刻も早く彼女に伝えたかったのです。

私の気持ちがまだ何一つ変わっていないということを、フランス人の彼の言葉に代弁してもらいました。

以下が当時 Facebook にアップロードした文章です。

在花蓮火車站附近的便利商店結帳時,我想講「因為沒有座位,我不想買這個便當了」可能我表達的意思不對,正在困擾的時候,後面排隊日文流利的女生幫助了我。然後她帶我去她工作的咖啡店,請我喝咖啡和吃花蓮傳統的點心。她不但幫助我而且還請我,讓我驚訝台灣人的溫柔。在這個咖啡店里,我度過了等待往宜蘭方向的火車的短暫時間。 這個時候,有一位法國的客人來了。他去過日本很多地方,所以我們很快就打成一片。他今天是從宜蘭 - 這是我的下一個目的地 - 過來的。他說,他四年前跟他台灣人的女朋友- 她住在宜蘭 - 開始交往,可是分手了,不能復合了。他用很難過的表情說,從四年前到現在他的愛一直沒變。他剛好跟我相反方向,從東部開始環島。我很吃驚,竟然有跟我一樣的理由開始環島的人,感謝這個不可思議的相遇,出發去往環島最後的目的地 - 宜蘭。

花蓮駅近くのコンビニで会計をしているとき、「座る場所がないので、やっぱりこの弁当を買うのをやめたい」ということを言いたかったけどなかなか伝わらず困っていたとき、後ろに並んでいた日本語ペラペラの女性が助けてくれた。そのあとこの女性が働くカフェに連れて行ってもらい、コーヒーと花蓮の伝統的なお菓子を無料でごちそうしてくれた。助けてくれた上にごちそうまでしてくれる、台湾人の優しさには驚くばかりだ。このカフェで、宜蘭へと向かう電車を待つ短い時間を過ごすことにした。 ここで過ごしているとき、フランス人のお客さんが入って来た。彼は日本中を旅した経験があり、その話からすぐに打ち解けることができた。彼は今日、ちょうど私の次の目的地である宜蘭からやってきた。宜蘭には4年前に付き合いはじめた台湾人の彼女がいるが別れてしまいもう元には戻れないという。4年前から今まで彼の愛は変わっていないと悲しげな表情で話していた。そして彼はちょうど私と反対の、東側からの台湾一周を始めたようだ。私と同じ理由で台湾一周を始めた人がいることに驚き、この不思議な出逢いに感謝して台湾一周最後の目的地、宜蘭へと出発した。

この文章は間違いなく彼女に届いていた。

この文章を投稿した後、彼女の Facebook がオンラインとなる時間が明らかに増えていた。

そして、翌日、彼女から返答とも言うべき文章が投稿された。

「名も知らない誰かからの愛は、確かに私に届いた」

そういう内容だったと思う。

彼女は詩的な表現を好むため、その中国語を理解するのは難しいが、私が旅に出た後、何度か私に向けたと思われるメッセージもあった。

「私の選択が間違っていないと信じている。いつでもあなたを見守っている。」

そんなメッセージを受け取った。

2人は愛し合っていたが、様々な壁を乗り越えることができずに別れてしまったのである。

今では彼女は Facebook から姿を消した。

残っている繋がりは Line のみである。

しかし、まだ彼女を幸せに出来る力を手に入れていないので、連絡することをためらってしまう。

あのとき守れなかった彼女を救える力をつけるため、これからも台湾を目指していく。