台北からバスで「老梅石槽」へ ~ドラマロケ地をたずねて~(謝坤達ファンの聖地めぐり)

2017-03-14公開  
本記事の情報は投稿時点で正確であるように最善を尽くしましたが、その後情報が変更される場合があります。最新の情報を確認することをお勧めします。

ドラマや映画を見ていて、ある場所・風景が特に印象に残る…そういった経験をお持ちの方も多いと思います。私の場合、今回訪れた「老梅石槽」がそのひとつでした。

● ここがロケ地となった「威廉王子」というテレビドラマを見たのが謝坤達を好きになったきっかけであること
● ドラマの中で私が最もロマンチックだと思うシーンが撮影された場所であること
● ドラマの中でここにしかない守るべき風景として扱われていたこと
● 確かに、ほかでは見たことのない特別な景色であると感じ、実際どうなっているか自分の目で見たいと思ったこと
などがその理由です。

威廉王子フェイスブックページより 威廉王子フェイスブックページより

ただ、この場所は台北からそんなに遠くはないとはいえ、やはり行くとなれば確実に半日以上つぶれます。私ほど思い入れのない人や、台湾に行く機会が余りない人にとっては、行き先としての優先順位は下がらざるをえません。私自身も、行きたいとは思いつつ、誰かと一緒の旅だったり、行く前からもう日程がびっしりで余裕がなかったりでなかなか行くことができませんでした。

ところが今回、事情があって出発直前に予定していた日程が全て白紙になったため、ぽっかり二日間台北での自由時間ができたのです。それがわかったのが出発直前金曜の夜中部国際空港にて、でした。今までの台湾旅行は、何かの芸能人イベントに参加する目的で行くか、誰かと一緒に行くか、台湾の友達に会うかということで事前に予定が決まっていたので、急に自由時間ができても呆然とするばかり。 とりあえずは飛行機に乗りどうするか考えていましたが(何をするか特に決まってなくてもとりあえず行くっていうのが私らしいですね)、その時点では突然すぎて「本屋さんを回って本を買いあさって、カフェでまったりして、現地で何かイベントがあれば見に行ってもいいかなぁ」くらいまでしか思い至りませんでした。LCC で夜中着なので、宿に着くともう眠い頭で何の考えも浮かばず、土曜日の予定を全く決めずに寝てしまいました。

土曜日は台湾芸能人を堪能

土曜の朝起きてまず「今日はどこに行こう」とネット検索し、ジョージ・フーの資生堂一日店長、謝坤達のサインがあるカフェに行く、アーロンがネットのライブトークに現れるらしいので出待ち…という予定を立て、それらをしっかり堪能して一日目が終わりました。 laomei03 laomei04 laomei05

土曜の夜に「明日どうしようかなぁ」とイベントの予定などを検索してみましたが、ピンと来るものがない。そこでふと思い出したのが「そうだ!前から行ってみたかった場所があるじゃない!」ということ。ネットで検索してみたら、3~5月期間限定の風景とのことで、これは行くしかない!それが今回の「老梅石槽」への小旅行の始まりでした。

老梅石槽と満潮干潮時間

土曜日の日程が私にとっては割とハードだったので、チェックアウト時間 10 時ぎりぎりまで宿で休み、さあ出発。その前に、朝食を食べつつフェイスブックに「今日老梅石槽に行くんだー」と投稿したら台湾の友人が**「満潮の2時間前から2時間後まで海水に覆わられて見えなくなる。満潮の 3 時間前/後が見頃」との情報と付近の満潮干潮時間**の表まで送ってくれていて(台湾の人って本当に親切ですよね)その情報をもとに午後二時現地着を目安にしました。

友人が送ってくれた表 友人が送ってくれた表

台北駅の荷物預かり所へ

ところが、まっすぐ行けばいいものを「お土産や買うものを先に買っておかないと落ち着いて楽しめない」という考えが浮かび、まずは本屋さんで SpeXial の沖縄写真集を購入し(これは SpeXial 明杰ファンとしてははずせないポイントです)、そういえば 50 嵐の抹茶ラテ飲んでおかなきゃとタピオカ入りのそれをゆっくりと満喫し、しかもお土産(糖村のヌガーが定番)まで買い込んでる始末で「さあ、コインロッカーに荷物を入れるか!」となったのが 12 時前。

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しかし!お土産でずっしりになったかばんを転がして台北駅のコインロッカーをたずね歩くもどこもいっぱい…土曜日はお昼過ぎに来ても空きがあったので油断していましたが、日曜日は埋まっちゃうんですね。「こんな重いかばん持って観光なんて無理だ、どうしよう」とネットを検索すると、台北駅には荷物預かり所があるとのことでそこを利用しました。 助かったー!皆様も「コインロッカーがいっぱいだ、どうしよう」ってなったらぜひご利用ください。ただし、営業時間が朝八時~夜八時で、それ以外の時間帯は預けも引き取りもできないので要注意です。料金は一回(一日)30 元~ 70 元(かばんのサイズによる)なので、時間帯さえ合えばコインロッカーより安上がりですね。台北駅の東 3 出口からまっすぐ前に向かって歩き、信号のある横断歩道を渡ってそのまま道なりに左のほうに曲がっていった先にあります。 laomei09 laomei10

淡水から老梅石槽へ(バスでアクセス)

身軽になってやっと電車に乗れたのが 12 時半過ぎというかほぼ 1 時。予定よりだいぶ遅れています。台北駅から MRT 淡水線に乗り淡水下車。実は台湾で路線バスに乗るのが初体験の私は(台北市内だと MRT の駅から歩くのが基本で、同行者の希望があればタクシーを使っていました。 他の都市では全てタクシー利用でした)まずバス乗り場がわからない。 駅の案内図を頼りにバスターミナルに向かうと(と簡単に書いていますが、たくさん書いてある路線名の中から目的のものを探すのは初心者の私には少し時間がかかりました)、そこにはずらりと並ぶバス乗り場。どこで乗ればいいか探していたら日が暮れます。 迷わず案内人の方に質問しました。ボランティアなのか職員なのか、目立つ色のベストを着ていらっしゃるのですぐわかります。iPad で自分が乗ろうと思っている路線の時刻表と、目的地の地図を見せながら(これ、スマホだと厳しいかもしれませんね…)「どこから乗ったらいいですか」と中国語で尋ねると場所を教えてくださいました。 自分で探したときはよくわからなかったのですが、言われてみればバス停の時刻表などが載っている立て看板の脇の黄色い部分にお目当ての路線が番号だけ書いてありました。たぶん複数の会社が乗り入れているのでしょう、時刻表が表示されている路線と、番号しか書かれていない路線がありました。

バスは一時間に一本しかありません。しかも夜は運行していないので帰りの時間は要注意です。今回見たバスの時刻表はこちら(http://www-old.taiwantrip.com.tw/upload/phpDuJ12f.pdf)。 バス停が端折って書かれていて(乗るまでこれしか停まらない高速バスのようなものかと思っていましたが、実際は普通の路線バスで、もっとたくさんバス停があります)しかもわざわざ日本語表記に直してあって逆にわかりにくいです。ここ(http://jp.taiwantrip.com.tw/line/41?x=1&y=4)に日本語の説明があります(上記の時刻表もここからのリンクです)

…とここまで書いてきておかしいなと思い、今更ですがいろいろなページを見てみたら、マイクロバスで少ししか停まらないシャトルバスと、普通の路線バスがあって、私はうっかり普通の路線バスに乗ってしまったようです。道理で書かれている時間よりだいぶ余分に時間がかかったわけです(片道 39 分のはずが、往路 50 分・復路は渋滞で 1 時間以上)。 わざわざ負担の多い行き方を選んでしまった!淡水始発で早めに並んだので座れたのがまだしもですが。あとからどんどん人が乗ってきて混雑する車内。立ってる人は大変そうでした(私はそれを帰り道で味わうことになります)。

聞き取りにくい車内アナウンスを必死で聞き(降りるバス停で降りられないと困る)、前方の次の停留所の名前の電光掲示板を凝視して緊張してすごした時間…余り景色を見る余裕はなかったのですが、それでも海が見えてきたときはテンションがあがりました。 考えてみれば、台湾の海岸に遊びに行くのも初めてでした。結局はちゃんと降りられる自信がなくて、途中で人がたくさん降りて前方に行けるようになったタイミングで移動して、運転手さんに「老梅石槽に行きたいので、降りるバス停まで来たら教えてください」とお願いしました。乗るときに「これ老梅石槽に行きますか?」と聞いてから乗ったので「わかってるよ、ちゃんと教えるよ」という反応でした。

時刻表にあった灯台のバス停についたので、「あ、ここだ」と思って降りようとしたら、運転手さんに「違う、この次」と止められました。 『時刻表ではここなのに(この時点ではまだ自分の間違いに気づいていない)』といぶかしく思いつつも、運転手さんはうそをつかないだろうと思い、その言葉に従って次の停留所「銘徳一村」で降りました。降りてすぐ案内表示があり、そこから歩いて5分ほどで現地に着きました。 私が見た観光案内のページでは停留所から徒歩 12 分とあったので歩く時間が短くてほっとしました。そしてわざわざ遠い停留所を書いておかなきゃいいのに何でだろうと不思議に思いました(その時点でもバスが二種類あることに全く気づいていない)。 現地の人はほとんど車かバイクで行くようで、同じバスを降りて老梅石槽に向かう人は私と妙齢の女性三人組だけでした。でも、同じ停留所で降りて老梅石槽に向かう人がいたことで「地元の人もここから行くんだから間違いないよね」と思ったのでした。

バス停(ただしこれは帰りのときの写真です)バス停(ただしこれは帰りのときの写真です) 歩く方向の案内表示歩く方向の案内表示

ああ、今ならわかります。案内人の方は、私がたくさん歩かなくていいように、老梅石槽の近くまで行くバスを教えてくれたことを。そして運転手さんが「老梅石槽に行きますか」との質問にはっきりそうだと答えたのもうなずけます。実際最寄りのバス停を通るのですから。全ては、私の調査不足のせいでした。事実がわかってみれば、途中で「あれ?おかしいな」と思ったことが全て腑に落ちます。そして、帰り道ずっと立ちっぱなしで時間も長くてつらかったことを除けば、この選択は間違っていなかったのです。不思議ですね、行くまでの間は「こんなに行くの大変なんだ」とげんなりしていたのに、帰り道では「疲れたー、もうやだー」と駄々っ子状態になっていたのに、今思い起こせば大変だったからこそ、現地の感動がより鮮やかになったとさえ思えるのです。

老梅石槽の感動ポイント

さて、現地の様子は、私が言葉を尽くすより、写真を見ていただいて、あるいは実際行っていただいて感じていただくのが一番だと思います。ただ、私の写真では、現地での感動をお伝えすることはなかなか難しいと思いますが。 laomei13 laomei14 laomei15 laomei16 laomei17 laomei18 laomei19

以下、私のぐっと来たポイントを箇条書きでご紹介。
● こんな風景見たことない!実際は海藻なのだと思いますが、遠目には苔むしたような緑の岩の趣(期間限定です!春だけです!それ以外の時期は枯れて普通の岩になっているそうです。3~5月だそうですが、ずれる場合があるらしいので要注意)
● 天気がよく気温もちょうどよく吹きすぎる風の爽やかなこと
● パズルのような迷路のような岩の上を渡り歩く面白さ。ただし、濡れた岩は滑りますからご注意ください。転ぶと危険です(砂浜でなく岩なので)。またくぼんだ部分に水がたまっているので、そこに足を落とさないように要注意。私は一回落としてしまいましたが、靴の中までは水が入らなかったので助かりました。
● そしてなんといっても岩にあたって砕け散る波しぶき。間欠泉のようにどーんと高く水しぶきが上がるときがあります。そのビジュアルと音と振動。魂を揺さぶられます。いつどーんと来るかと待ち構えるひとときは、子供のころ海水浴で大きな波を待ち構えていたときの気持ちを思い出させてくれました。
● フォトジェニックな風景。青い海、濃淡のある緑の岩と茶色の岩、白い波しぶき…私の撮影技術がないのと、機材が iPad のカメラなのでそこまでいい写真は撮れませんでしたが、ちゃんとした機材と腕があれば、かなり素敵な写真が撮れると思います。音も含めての素晴らしい景色なので、動画撮影もオススメです。私は、電池がなくなりかけて動画撮影はあきらめました。ああ、準備不足。

私の場合はそこに、好きなドラマのロケ地なんだという感慨が加わり、「大変だったけど来てよかったー!」と思いました。うれしくて大声で歌いだしたいほどでしたが、周りに人がたくさんいたのでやめました。天気がよい日曜だったのでそこそこの人出でした。人を避けて風景だけ撮るのが少し手間だったので、撮影メインの方はできれば平日に行かれたほうがいいように思います。

現地でフェイスブック上の自分の謝坤達ファンページに風景写真などをアップしたら、ご本人からいいねがつき、最高の気分で帰途につきました。帰りのバスも電車も座れず疲れきってしまったことすら、帰ってきた今となっては懐かしくさえ思えるのです。

好きな映画やドラマのロケ地めぐり、やっぱりいいものです。 ただし下調べと準備は念入りに(自戒をこめて)

【文中に登場する台湾芸能人のフェイスブックページ】
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ジョージ・フー(胡宇威)
アーロン(炎亞綸)
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